保育への想い・考え

高槻双葉幼稚園では
子どもたちの「生きる力」の
根っこを育てることを
何より大切に考えています。

幼児期に豊かな経験をすることは、その後の人生に大きな影響を与えます。
その土台の部分を大きく、広く、豊かにしていくことが大切です。幼児期において、「自ら選択・判断し行動すること」、「人と人とが協力をし手を携え、共に進んでいく力」など、見えやすい力と見えにくい力の両面を育む必要があります。

これらは決して教え込む、繰り返し正確に何かをさせる教育・保育では育ちません。
幼児期の子どもたちにとって生活の大部分を占める「遊び」から、子どもたちは学び、感じ、感動し、多くの気づきや学びを得ます。
「遊び」には学び・育ちの「タネ」がたくさん詰まっています。

自然と触れ合う環境の中で・・・
知ることより感じること

季節ごとに様々な実がなり、花が咲き、
鳥や昆虫が訪れる自然環境豊かな園庭があります。
移りゆく季節の変化、風の音、虫が鳴く音・・・園庭では五感を使い、感じることが多くあります。
「美しいものを美しいと感じる」、「本物に触れ、感じたことをともに喜び合える人がいる」・・・そのような感動体験の多くが保育の中であふれるよう考えていきたいと思っています。

遊びが広がり、深まり、
遊びが深化する環境づくり

子どもたちは、様々な思いや考え、
そしてこれまでの経験を活かし、遊びを広げていきます。
子どもたちのそのような姿を支えるためには、遊び方が決められた活動では広がったり深まったりすることができません
「子どもたちが自ら選択できる環境があるか」、「試してみることの面白さを感じられる仕掛けがあるか」、「遊びを通して新たな遊びや仲間とつながっていくか」など、遊びを通して人とつながる、新たなものとつながることを大切に考えています。
「遊ぶ材料・環境は自ら作り出す」・・・遊びを通して培った力はこれからの社会の中でも、自ら挑戦し、生み出していく力につながると考えます。

おもしろさを分かち合える仲間、
互いの意見を伝えあい
成長できる仲間と過ごす中で

幼稚園に入るとそれまで「個」が中心であった活動から徐々に、「複数」、「集団」と活動の輪が広がっていきます。
はじめは、自分とは違う他者がいることを知る経験をします。
そしてその他者が自分とは違うことをしている、自分とは違う思いや考えを持っていることに気付きます。
時にはその違いにより、言い合ったり、けんかになることもありますが、そのぶつかり合いを通して子どもたちは調和をとる方法を経験的に学びます。

また、ぶつかるだけではなく、自分が面白いと思う遊びと友達の面白いと思う遊びが重なることもあります。
その時にパッと顔を見合わせて笑顔になっています。自分が価値を持っていることと同じ思いを持つ仲間に出会います。そしてともに遊んだり協力したりします。
このように同じクラス、学年の子どもだけではなく異年齢での活動もあり、様々な友達と触れ合う経験をし育っていきます。

子どもたちの「やってみよう」
という気持ちを高める活動として

遊びや生活を中心に保育を考えることに加え、当園では、みんなで行う活動として、保育者が計画した活動を行います。
幼児教育は、「保育者の話を聞き正確に作業を行う」、「完成度の高いものを作り上げる」ことを第一のねらいとして計画するものではありません。
子どもの姿(興味関心など)を見取り、保育者のねらい・願いを踏まえて「手立て」【実践/計画】が生まれます。子どもの姿に応じて、やってみようという気持ちが高まる活動を行っています。

また加えて、音楽/リトミック、体育、英語は外部講師の先生とともに、「遊び」につながる展開で活動をしています。「~ができる」という知識・技能の定着をめざすことではなく、「~をしてみたいと思う」、「やってみたら楽しかった」という関心や意欲、活動に向かおうとする姿が高まるような機会として考えています。

保護者も保育者も
育ちあえる園として

幼児教育における子どもの育ちは見えやすいもの、見えにくいものと様々にあります。その様々な育ちを保護者の方とともに共有するために、私たちは様々な方法、ツールを活かし発信することを大切にしています(保育の可視化)。
発信することを通して、家庭で幼稚園の話題が増えたり、保護者の方とともに子どもが今学んでいることの意味や価値を共有することで、ともに子どもを支える環境をよりよくすることができると考えます。

また保護者の方には参観や保育参加、保護者サークル、ボランティアなど様々に保育や幼稚園生活に触れていただける機会を設けたいと考えています。
保護者の方と保育者は、共に子どもを応援する存在だと考えます。思いや考えをできる限り共有し歩みを共にさせていただきたいと願っています。

学びや育ちを支える心や身体

子どもたちは日々様々なチャレンジをするため、時にはけがをすることもあります。
身の回りには危険が大小様々にあり、そのすべてを排除することはできません。
身の回りの危険を感じ、把握し、そして自ら回避する方法を考えていくことは、「危険だから避ける/何もしない」では育たないと考えます。
当園の園庭は、様々な起伏や自然本来の木の根っこなどがあります。
「小さなけがを経験し、大きな命にかかわるけがや事故を防ぐ」ことを、遊びや活動の中で経験してほしいと願っています。

また身体を支える「食」については、当園では自園調理で温かな給食を食べることができる環境があります。
園庭にある畑で栽培した野菜など、食材を身近に感じる環境もあります。
食事を考えることを通して、活動を支える身体を強くたくましくする食育的な観点も充実させていくことをめざしています。

小学校につながる
幼児期の学び・育ち
~小学校の先取りではない幼児教育の大切さ~

近年、幼小接続・連携は重要な位置づけとなっています。
これは小学校の内容を先取りして学ぶことや、小学校で困らないよう事前にトレーニングすることを意味しているものではありません。幼児期ならではの学びを大切にし、その学び・育ちをいかに小学校につないでいくかが大切とされています。

当園では、小学校に向けて期待が高まる遊びや活動、例えば小学校ごっこや、日直の体験など、遊びや生活の中に、取り入れて考えたり、実際に近隣小学校の子どもどうしの交流や、教師間の交流などをとり、子どもたちが幼児期で学んだことを活かし小学校でもいきいきと活動できることをめざして取り組んでいます。自ら考える力や関心・意欲を高め、自ら学ぼうとする、学ぶことが楽しいと感じる子どもたちの姿を支えたいと思います。

子どもの活動を支える
保育者・職員の研鑽・研修の重要性

めまぐるしく変わる社会の影響を教育も常に受けています。
その中で大切なことや、最新の情報はどんどんと移り変わります。その状況や情報をしっかりとつかみ、そしてそれを自園の文脈に引き寄せて、私たちごととして取り入れていく学びの姿勢がこれからの教育現場では重要と考えます。そのために園内研修や園外での研修受講などを積極的に行い、自身の課題意識が高い観点や分野、そして園全体でチームとして専門性を磨いていく必要がある観点に係る学びを行うようにしています。

また、保育者・職員間での共有・討議の時間も大切にし、子どもの育ちでうれしかったことなどを会議で話し合います。子どもたちの育ちは私たちにとって大きな宝物です。その宝物の輝きがさらに増すように、私たちも学びを止めない姿勢を大切にしています。

命を守る

近年、災害など様々な危険が身の回りには存在します。
それらに対し、日頃から備えていること、
想定をすることは極めて重要なことだと考えます。
当園では、様々な状況を想定した避難訓練をはじめ、子どもたちが危険を知ること、知った危険をできる限り回避できるよう考えていくことなどを保育の中でも意識をし、「安全」、「いのち」についても、感じ、考えられるよう、取り組みを進めています。