コロナ禍における幼児期の学び・育ちに思うこと

2020/08/28

8月下旬となりましたが、まだまだ暑さ厳しい毎日となっています。

今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、マスク着用をする場面が社会生活の中であるなど、例年の夏よりさらに過ごしにくい状況下であると考えられます。

令和2年度、当園は4月と5月の下旬まで1号認定の休園期間が続きました。

5月下旬より分散登園⇒通常保育という形で、6月中旬頃から、通常保育にシフトし、ここまで保育を行ってきました。

通常保育では、これまでの保育場面になかった光景がいくつもあります。

たとえば、「ソーシャルディスタンス」です。本来、幼児教育は「子どもと子ども」、「子どもと大人」など、密接な豊かな人間関係の中で、育まれる性質と考えます。

しかし、コロナ禍においては、このソーシャルディスタンス意識した活動、環境設定を行わざるを得ない場面があります。

医学的・衛生的な対応としては「せねばならない・ベストとされる衛生的な対策」といわれることが、

実は幼児教育に置き換えると、「学び・育ちに繋がる環境づくりがベストな状況で行うことができない」ということがあります。

このような状況下で、当然これまで「当たり前」のように行っていた日常保育について立ち止まって考える必要性がありました。

幼児教育では、子どもの興味・関心を出発点として、遊びや生活経験を通した学び・育ちを大切にしています。

 

「大人(保育者)の「~させたい」、「~な力をつけさせたい」という一方的な都合で、決められたことを正確にこなすこと」

「繰り返し同じ作業をして定着を図ること」

「毎年行っているプログラムを着実にこなす」

 

というようなことが大切だというイメージをお持ちの方もおられるかもしれませんが、

実は幼児教育を支える「幼稚園教育要領(2018文部科学省)」などには、そのような記載や方向目標は書かれていません。

決められたことを繰り返す活動であれば、子どもの姿や行動は、何となく予想がついたり、昨年度の姿を参考にして組み立てたりすればよいのですが、前述の通り、子どもたちの多様な興味・関心を支えるということは、当然予測がつかないことも含まれます。

では、このような幼児教育が背景にある中で、コロナ禍においてどう対応することがよいのでしょうか。

 

「たった一つの正解」は、このような状況・問題にはおそらくないと思っています。

私たち幼児教育に携わる者が行うべきことは、幼児教育の子どもたちの学び・育ちをいかに支え、子どものニーズをくみ取り、その中で保育者がねらいをもって活動を計画し、支える。ということなのです。

この幼児教育の前提とコロナ禍における対応は、「最適解」(ベストではないかもしれないが、状況的に最適と考える)を見出していくことがこれからのWithコロナの時代で大切なのかもしれません。

この「最適解」を求めるということは、子どもたちの活動でも同様のことが言えます。

与えられたものでパターン化した遊び方だけではなく、「~がしたい」という自分の願いをかなえるために、

身の回りにある環境・資源を生かして、自分で試行錯誤し工夫する。

このような営みの連続が、「自分で困難を乗り越えていく」、「課題に立ち向かい超えようとする」ことにつながると考えます。

子どもたちの遊びでの一コマ。

写真のように積み木で建物などを作り、そこに恐竜を置いて遊んでいました。

写真の恐竜の位置、なんだか不思議な位置にありませんか?

遊んでいる子どもと話をしました。

先生:「この恐竜たち、みんな離れているんやね~」

子ども:「だってコロナやから」

・・・

あ、ソーシャルディスタンスか!

 

日常の生活経験が、遊びにも反映されている場面でした。

 

夏場よくある光景として、大人が「熱中症なるから水分とるんだよ」と伝えることはよくありますし、必要な言葉掛けだと考えますが、いずれ大切になることは、「あ、今日かなり暑いな。しんどくならないように水分をとって、帽子をかぶって遊ぼう」と自らが、過去に教えてもらったこと、経験したことを他の場面でも生かしていけることだと考えます。

(これを「習得」⇒「活用」と呼ぶこともあります)

一方的に教える、だけでは、その場面などではできるかもしれませんが、これからの時代、そしてWithコロナの時代、

学んだことを他の場面でも生かせることが、学び・育ちとして必要なことではないでしょうか。

 

この恐竜たちの位置を見ながら、子どもたちが、園や家庭で学んだ知識・経験を違う場面で活用しようとしている姿に、子どもたちの育ちを見た気がします。

私たち園としましても、

過去に経験をしたことがない、様々な苦しさ、つらさ、怖さなどをかかえるコロナ禍において、

今一度、子どもたちの保育環境や保育活動を見直し、

「最適解」を見つけていけるよう、2学期も進んでいきたいと思います。

例年とは違う、子どもの姿、活動、行事などになるかとは思いますが、

保護者や関係者の皆様方とともに、子どもの育ちを真ん中に置き、ともによりよい子どもの育ちを考えていければ幸いです。

2学期もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

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